くるくる回る蘭の花。

「ザ・インタビューズ」というサイトの中毒者です。

短編小説。「地球は丸くない」

短編小説を書こうってことで書きました。

「地球は丸くない」

頭が大丈夫じゃない高校生が「地球が丸くない」ことを証明するお話。

 

“ 地球は丸くないんだ。

 

 友人に話すと、「頭大丈夫か?」と聞かれたので、元から頭は大丈夫じゃない、と答えた。友人は深くうなずいていた。自分で言っときながら俺は腹を立てる。俺の成績の悪さの原因は文字が汚くて不正解になることが多いからだ、と言い訳する。「それがわかっておきながら字の練習をしない、お前はやはり頭が大丈夫じゃない」との友人に対抗するべき俺は答える。わからない問題にあやふやな字で答えたら正解貰えるかもと、実践してるんだ。その会話にて俺の頭が大丈夫じゃないことははっきりしたが、今の論点はそこではない。

 地球は丸くないんだ

なおも主張を続ける、俺。あきれ顔の友人がなぜ俺がそんなことを言い出したのか聞いてくる。通りすがりの女性が言ってたんだ、と俺は答え。友人は「美人だったか?」と聞いてくる。俺は、そうだと自信満々に答える。「おっぱいは大きかったか?」と聞いてくる友人の言葉には誇り高く、そうだと答える。「おっぱいが大きい女性は正義だな」と友人「正義が言うことだから地球は丸くないのは正義だ」と納得した。友人の頭も大丈夫じゃないことがここで判明した。

 こうして俺たちは高校三年の貴重な時間を費やし、地球が丸くないことを実証するために行動に出た。高校三年生の受験勉強より、地球の方が重要に違いない。俺たちがもし受験に失敗しても、地球レベルでは最たる問題ではない、親は怒るが。その親がその腹いせに誰かのブログを荒らし。その結果、それに絶望した最近の心弱い高校生が無差別殺人事件をおこし、それに巻き添えになった人間が政治家の娘で、その政治家がテレビで若者バッシングの失言をして、若者達が左翼に目覚め、ネットでF5アタックを駆使、重要なサーバーが落ちて、〈中略〉核戦争で地球が滅んだ。なんてことが起こらないとも言えないが、いや、起こらないと言える。

 さて、俺たち受験生二人組は地球が丸くないことを証明するために行動を始める。最初に取った行動は、Wikipediaで調べることである。そこに“地球は丸くない”なんて書いてあったら楽だったのだが、書いてなかった。だから、“地球は丸くない”と親切に書き足してあげた。なぜかその後Wikipediaにアクセスできなくなった。ネットはダメだ、と友人達に聞き込みを始める。友人達はみな口をそろえて「地球は丸い」と言った。たまに「ちきゅぱはるい」と思い切り噛んだ人や、「地球は楕円である」と博識ぶって答えた人がいたが、おおむね地球は丸いようだ。しかし、これらの証言は信用できない、なんとソースが、出典が明らかではないのだ。Wikipediaには出典が明らかでないことを書き込んではいけません。出典が明らかでないことは軽々しく友人に言ってはいけません。

 丸い地球を実際に見たものは確認できなかった。友人達は親から聞いた、などと答えたので親にも確認を取ったが、その親も他人から聞いた、とのことだった。ここに一つの常識を照らし合わせる。“知り合いの知り合いから聞いた”と語られることは大概が嘘である、という常識だ。つまり友人達の証言は嘘である可能性が高い。「誰から聞いたもなにも常識だ」、と言う者もいたが、常識が嘘であることは誠に多い。まことしやかにささやかれたマイナスイオンは存在しないし、若者の犯罪は増えていない、A型は几帳面ではない、俺の部屋を見ればそれがわかる。俺の頭が大丈夫でないことはこの学校では常識だが、間違っている可能性の方が高い。

丸い地球の写真を見たことがあるものは大量にいた。だが、その写真は偽造写真である可能性を捨てきれない。確認のために、丸い地球の写真が載った書籍の出版社に電話した、写真を撮ったカメラマンの連絡先を教えろ、と。カメラマンが人工衛星であることが判明した。これで丸い地球を見た人間はいないことが判明した。俺はそう結論づけた。だが、俺よりまだ頭が大丈夫な友人が「一件では統計学的に信頼できない」と主張する「三件くらい確認しろ」。しかし、人見知りでグラスハートな俺はもう出版社に電話をかける勇気は残っていない。しょうがないと思いネットで検索したら、Wikipediaにアクセスできなかった。サーバーが何かの理由で落ちているのだろうか? 例えば左翼に目覚めた若者のF5アタックとか。

その後、地球の写真を撮った宇宙飛行士が発見された。一番、地球を眺めた可能性が高い人間だ。もしかしたら、丸くないはずの地球が丸いというウソの発信源かも知れない。近視で見間違えたのかも知れない、いや、写真に撮られているのだからそれは違う。カメラのレンズに丸い地球の絵が貼り付けてあって、それに気づかず写真を撮ったのかも知れない。結局、俺、友人ともに、彼が地球に帰還した日がエープリルフールだった、と言う説を支持する。

ネットの情報は9割がデマだ、ナンパするときに“君って、アスパラガスのように美人だね”と言うと良いと書いてあったがナンパは失敗した。書籍に書いてあることも大体デマだ。『みるみる女性にもてる方法100』を全て実行したが俺はモテなかった。ネットに掲載されている地球の写真は良くできたCGの可能性が高い、書籍もそうだ。結局、宇宙飛行士しか地球を生で眺めた者はいない。人工衛星越しに眺めいている者もいるが、機械を通している時点で信頼性は薄い、スーパーハッカーがハッキングしているかも知れない。友人に「いや、正しくはクラッカーだ」と訂正されたがどうでも良い。

宇宙飛行士が地球は丸いとエープリルフールにお茶目なウソをついて、それが常識となってしまった可能性が高い。その説が一番主力だったが、宇宙飛行士全員がエイプリルフールに帰ってきたわけではないことが判明した。ここで、地球の謎を究明するのに行き詰まる。今までの情報を見直してみようと、俺が書いていたノートを開くが、文字が汚く何が書いてあるかわからなかった。

それから三日徹夜で考え新たに生まれた説、それは『月は青かった説』である。大量に丸く青い地球の写真が出回っていることから鑑みて、それらはCGではない。なら、月の写真ではないか? という説が誕生した。宇宙飛行士は地球と勘違いして月の写真を撮ったのだ。それがいま地球の写真として出回っている写真なのだ。エイプリルフールで嘘をついたのは「地球は青かった」の方である。最初の宇宙飛行士が地球は青いとお茶目なウソをついた。そして、後続の宇宙飛行士は青い玉(月)を地球と思い込むようになったのだ。そして、その近くにある緑だか紫だか虹色である地球は無視されているのだ。そして、それはきっと丸くない。宇宙飛行士の帰還した日がエイプリルフールではない、という問題は『相対性理論によって時間の感覚がずれていた』で解ける。

こうして地球が丸くないことが判明した。そして、同時に月が青いことがわかったのだった。”