くるくる回る蘭の花。

「ザ・インタビューズ」というサイトの中毒者です。

小説の執筆は大体3ページくらいで力尽きるよ。

またしても新しい小説を書き始めたぜ。

ちなみに、前書いていた「妹モノ」は原稿用紙三枚ほどで力尽きたぜ。

 

新作「GLAYzone(仮名)」

「かつて正義を信仰し、数々の神器を創造した伝説の鍛冶師がいた。

白い衣をまとった彼は後に正義を見失い、姿を消した。

そして現在、灰色の衣をまとい、かつて自分が打ち鍛えた武器の行方を捜す一人の男がここに。」

 

↓書き出しのバックアップ。ライトノベルの文章じゃねぇ……。

“ 一人の男が、雑多な香り漂う町中を歩いていた。その男は灰色のローブをまとい、顔もローブで隠している。肌を全く露出していないが、体型から男だとわかる。ローブは砂埃にまみれ、所々が破れ、焼け焦げた跡などもついている。人が歩いているよりはボロ布の固まりが風に乗り宙を舞っているかのようだ。歩く町中は茶色い。風化した油絵のような町だ。木造の家々が立ち並び、中には屋根が藁の家もある。商店の呼び声が遠くに聞こえる。なぜか地獄からの呼び声のように聞こえた。大地が踏みならされただけの道路を男は歩く。途中、熱気と金属を叩く音が聞こえる店――鍛冶屋の前で立ち止まった男だが、しばらくすると何もなかったかのように再び歩き出した。

男は一つの店に向かう、そこは人々の憩いの場である、酒場。扉を開けると、ドアベルの音が鳴った。太陽が天に昇っている今、客は少ない。その少ない客がドアベルの音に引かれ男を見るが、すぐに興味は無くなったようで、酒を呷るだけの機械と化す。店内には太陽の光がわずかにしか差し込まず、薄暗い。客の風貌も店内もその薄暗さに似合う姿だ。わずかにしか光が差し込まない森に生えた大樹のような酒場だ。男はカウンター席に腰を下ろす。椅子が軋み鳴き声を上げた。今にも壊れそうな年代物だ。燭台に立つろうそくの火が儚く揺れる。

「一番安い酒をくれるかい?」柔らかい口調の割には、男の声はしわがれていた。「ついでに何か仕事を紹介してくれない?」街の酒場には情報が集う。酒場のマスターは街の悩み事を全て知っている。枯れかけた木のような姿をしたマスターが「安酒を頼む者には、安い仕事しかやらねぇよ」と言いながら、酒の入った器を差し出す。それを受け取った男は、ただの濁った水のような酒を一気に飲み下す、度数の入っただけの水のような味がした。泥水を飲んだ方がましかも知れない。「安い仕事でも、何でも良いよ。僕はただ時間つぶしに散歩しているだけだから」と、仕事の内容を聞き、男は酒場を出る。カウンターに置いた銅貨と、ドアベルの音だけが酒場に残った。

 男が酒場で聞いた依頼とは復讐の手伝いというものだった。家族を殺された復讐に、山賊を殺す。危険なだけで報酬も少ない、自棄になり復讐を決意した娘と知り合える、ただそれだけの依頼。男は依頼主がいるという騎士の駐屯所に向かう。掘っ建て小屋の駐屯所は騎士という言葉にそぐわない。駐屯所の扉をノックすると、扉の向こうから一人の娘が現れた。騎士見習いだと名乗る娘、マリアベル・アンドロス。それは依頼主の名だった。少女を捨て去り大人の女となりかけている陽炎のような美しさをまとう娘だった。男が依頼のことを告げると、マリアベルは「今すぐに旅立つわ」と準備の為に家に帰ろうとする。マリアベルの目には復讐しか刻まれていなかった。それを止めようとする駐屯所の青年騎士をはねのけ、マリアベルは立ち去る。残された男は、たった二人で山賊を倒すつもりなのだろうかと、思い悩む。いざとなれば男に敵などはいないはずだが、男はむやみに力を振るう気はなかった。力を封じる理由などを持っているわけでもないのだけど。男が困り顔の騎士と会話しマリアベルの情報を仕入れていると、剣の鞘を腰に下げ、革袋を背負った本人が帰ってきた。軽い旅装のような面立ちだが、マリアベルの目を見た者にはさまよう幽鬼に見えるだろう。男はマリアベルの持つ剣に目を向ける、男の顔は誰にも見えなかったが、男は懐かしい友人を見るような眼差しをしていた。そう、もう会えないと思っていた朋友に数十年ぶりにあったかのように。親しみと恨みが詰まった目線を剣に向けていた。剣の方も男に反応しわずかに震えたように見えた。気のせいかも知れないが。”

 

さて、この後この小説の執筆は続くのか?