小説のタイトルを考えよう。「最強の農民」
小説、「最強の農民」(自称勇者御一行と魔王を簡単にぶっ飛ばす農民の話)をどう書いていくか、登場キャラクターに会議させておくか。
「――と、言うわけで開始するわ!」
どん、とブラックボードを叩く勇者。
「あ~、それ液晶ディスプレイですので、あまり力強く叩くと壊れるんで」
戦士が注意。
「専門用語を使われても意味が分からないわ」
勇者は田舎育ちの庶民なので機術には詳しくない。
「そんなことは今回の主題ではない。話を進めろ」
魔法使いが急かす。
「では、議題その一、題名は〈最強の農民〉で良いのか?」
勇者が司会進行する。
「最強の大根農家の方が良いんじゃないか?」
生の大根をボリボリ食べながら農民が提案。
「大根はあまり重要じゃない気がするんだが……」
魔法使いが否定。
「大、根、が! 重、要、じゃないだ、と!!」
激怒する農民。
「はいはい、大根大根、重要重要」
適当に宥める僧侶。
「題名になっているだけ妬ましいんですから。あまり文句つけないでくださいよ~農民」
と、戦士。
「わかった、〈最強の農民 大根〉という風に、副題で良いだろう」
やはり大根にこだわる農民、大根ジュースを飲みながら提案。
「それだと、主人公が大根みたいになっているわよ」
勇者がつっこむ。
「本望だ」
農民がきっぱり断言。
「本望なの!?」